DX3RD ロボを編む①基本ルルブオンリーの《ヴィークルモーフィング》
■モルフェウスと生まれたからには
誰でも一生のうち一度は夢見る、地上最強のロボ!
《ヴィークルモーフィング》とは、地上最強のロボを生成する、神エフェクトである!!
(神イントロ)
以下、今日の与太話です。
■「モルフェウスはやろうと思えばロボにも乗れる」
このセリフは、ダブルクロスに誘われて経験者のレクチャーを受けたことのある人のほぼ十割が言われたことがあるのではないでしょうか。
言わずもがな《ヴィークルモーフィング》のことです。
しかし、この言葉は概してこのように続けられる。
「初心者が使うのは難しいから止めた方がいい」と。
もう少し厳密にすると、こうなる。
「初心者が130点環境で基本ルルブ12だけ適用してロボ運転アタッカーを作るのは難しいからやめておいた方がいい」
本当にそうだろうか。
初心者には(130点環境で赤緑本だけ使って作る)ロボは使いづらいのか?
その真偽を確かめるため、具体的に言うと「初心者でも(概ね)使えるから安心してください」という結論ありきで話を進めるため、我々取材班はN市の奥地へと足を踏み入れた。
■ピュアにのみ許された王者のUTUWA、モーフィングロボ
まずはモーフィングロボについてのおさらい。
モーフィングロボは《ヴィークルモーフィング》専用ヴィークルである。
攻撃力15の装甲18という、全アイテムのなかでも最高クラスの固定値を持つ。
なお取得には《ヴィークルモーフィング》Lv5が必要。
はいココSTNP(初心者が使いにくいポイント)その1。
《ヴィークルモーフィング》はデフォルトの最大Lvが3。ロボはLv5。
そう、「ピュアブリードでないとそもそもロボが取得できない」のである。
厳密にいえば、ピュアブリード以外でも取得は可能です。
ただし、ピュアブリード以外でロボを取得するにはDロイスやデモンズシードを駆使した上で、さらに侵蝕率ボーナスでLvを限界突破する必要があります。
しかし、初心者が起源種だのデモンズシードだのという課金コンテンツを所持しているはずもなく。基本ルルブ1・2のみを使用する以上は、必然的にモーフィングロボはモルフェウスピュア専用ということになります。
…そしてこの「モルフェウスピュア」という選択を起点として、基本ルルブのみロボ運転アタッカーには連鎖的に問題が発生するのである。
■マイナーアクションを使用してロボを錬成する
STNP(初心者が使いにくいポイント)その2。
モーフィングロボは、マイナーアクションで《ヴィークルモーフィング》を使用して取得するヴィークルである。
ところが、モルフェウスピュアには「マイナーアクションで使用できる移動エフェクト」がない。
その結果どういう事が起きるのかというと、こうなる。
>PC:マイナーアクション、モーフィングロボを生成して搭乗しました。
>GM:メジャーアクションどうぞ。
>PC:……エンゲージに敵がいないので何もできません。
あまりにもつらい。
これも厳密にいえば「モルフェウスのシンドロームにはない」のであって、一応基本ルルブ環境でも《クイックダッシュ》という移動エフェクトは存在する。
《クイックダッシュ》はセットアッププロセスに戦闘移動ができるという、便利な一般エフェクト(シンドロームに関わらず取得できる汎用エフェクト)である。
ただし「1シナリオLV回」しか使えないという制限があるため、各シンドロームの移動エフェクトに比べて格段に使い勝手が悪い。
■経験点不足
STNP(初心者が使いにくいポイント)その3。
ロボ運用はとにかく経験点が嵩む。
・ロボ生成に必須の《ヴィークルモーフィング》Lv5
・移動用の《クイックダッシュ》
・運転攻撃の起点《エースドライバー※》
・いつものお守り《コンセントレイト》
これだけのエフェクトが「ロボを召喚して運転する」という最低限の動作のためだけで必要になる。
それぞれのLvにもよるが、最低必要点は80点である。残った50点で火力増強その他、やりたいことをカバーしないといけない。ジリープアーだ。
※通常、運転アタッカーの起点は《巨匠の記憶:運転》と相場が決まっているが、基本ルルブ1・2では《巨匠の記憶》は運転に適用できないので《エースドライバー》を取るしかない。そのためミドルでコンセと組み合わせた運転無双もできない。そしてEAを導入すると《エースドライバー》が起点エフェクトとして採用できなくなるので《巨匠の記憶》が必要。これもう(基本ルルブもエラッタしないと)わかんねぇな。ついでに《スーパーランナー》もEAまでお預けなので、移動エフェクトは《クイックダッシュ》一択です。
また、これはロボだけでなく運転アタッカー全般にいえることだが、技能<運転>での攻撃となるため、<白兵><射撃><RC>の攻撃エフェクトが全て組み合わせ不可になる。そのため、攻撃力増加に関しては《クリスタライズ》か《レインフォース》くらいしか使えなくなってしまう。《ペネトレイト》も駄目なので装甲無視も《クリスタライズ》頼みに。
幸い判定ダイスや達成値については、《カスタマイズ》以外のエフェクトは概ね組み合わせできるので、ダイスを大量に盛って達成値を増やして攻撃力ダイスの個数を稼ぐことはできる。
■とはいえロボは強い
色々言ったが、じゃあロボは弱いのかというと、全然そんなことはない。
前述の通り、モーフィングロボに搭乗すると攻撃力15/装甲18が付与される。
どちらも装備品の数値としては最高クラスである。
<運転>で素殴りするだけで固定値15は十分強い。モルフェウスはダイスを増やしやすいので、30~40くらいのダメージは労せず達成できる。
攻撃を捨てて味方をカバーリングするにしても装甲18はかなり分厚い。そしてロボはあくまでヴィークルなので、PCは別に防具を装備できる。例えばUGNボディアーマーを取得すれば装甲26だ。ミドルの雑魚の一撃くらい余裕で跳ね返せるだろう。
シンプルに殴る、守護る。それだけを念頭に置けば、ロボは十分強いのである。
■やることはシンプルに
結論としては「130点でも初心者でもロボは使える」である。
130点ロボは、他のビルドに比べて自由度や拡張性が低い。100点を超えるような鮮烈な火力も出せないし、GMへの厭らしい嫌がらせもできない。
それらはあくまで相対的な話である。ロボそのものは強いし、やれることは少ないがやれることは必要十分にこなせるのである。
具体的に言うと「判定ダイスを稼いで<運転>で殴る」か「高装甲で味方を守る」のどちらかに専念すれば、初心者向けシナリオであれば十分活躍できるだろう。もちろん、他のビルドに比べて支払った経験点に見合ってるかというとそうでもないが。
いいじゃないか、ロボを召喚できるんだから。
ちなみにもうちょっと赤裸々に書くと「130点でも初心者でもロボは使える。使えるとは言った。言ったけど、やっぱり初心者にいきなり諸々の事情を理解してもろて、やることを絞らせてシンプルに運用させつつ将来的に《エースドライバー》から《巨匠の記憶》に乗せ換えさせたりなんてそんな色々面倒くさいことをいきなり押し付けるのも気の毒だし、ただ殴るだけよりもっとシンプルに分かりやすく強キャラビルドで楽しめる華々しい構成はいくらでもあるので、ダブルクロスの魅力を伝える上では必ずしもおススメはできない。けどまあ、当人がよっぽどロボに取り憑かれてたりするなら別に使ってもいいんじゃないかな、基本環境で従者型ビルドしようとするのに比べたら全然厳しくないよ」である。
特に理由のない当て擦りが基本ルルブ環境の従者型ブラムを襲う!いや、初心者の従者型はプレイそのものに遺恨が残る可能性があるから…。
■作例:基本ルルブ環境130点ロボ運転アタッカー
実際に私が【ワールドエンドジュブナイル】で使用した、基本ルルブ12のみ適用して130点でビルドしたモーフィングロボ運転アタッカーを作例として貼っておきます。
■ライフパス■
ワークス :UGN支部長C
覚醒:渇望
衝動:解放
■能力値と技能■
【肉体】:2
【感覚】:4
【精神】:1
【社会】:2
【HP】 25
【侵蝕基本値】 35%
【行動値】 9
【戦闘移動】 14m
【運転】 :2r
【調達】 :2r+1
【財産点】:6
■エフェクト■
《コンセントレイト:モルフェウス》:Lv2
《クイックダッシュ》:Lv2
《砂の結界》:Lv1
《ヴィークルモーフィング》:Lv5
《エースドライバー》:Lv2
《創造の御手》Lv2
モーフィングロボ 攻撃力:15 装甲:18 行動値:-3 全力移動:50m
(100%時)達成値:13dx7(期待値37)
基本運用は「ロボを召喚して創造の御手でダイス盛って殴る」です。
さすがに殴るだけだと寂しいので、いずれかのシーンでUGNボディアーマーを購入しておき、《砂の結界》でラウンド1回、装甲26で味方のカバーリングも行います。
なお、ビルドした時点では《サポートデバイス》は<運転>に適用できないと思い込んでいたので採用しませんでしたが、どうも適用できるっぽいので、《創造の御手》と置換して、かつ《砂の結界》を捨ててその分《サポートデバイス》を伸ばした方が良かったかもしれません。中途半端はいけませんね(戒め)。